高校世界史をわかりやすく 先史時代①

先史時代とは

人類の登場は今から約700万年前とされています。約700万年の人類の歴史は大きく二つに分けることができます。人類が文字で歴史を残す前の時代のことを先史時代といい、それ以降を歴史時代といいます。

 

先史時代の人類

人類は今から約700万年前ごろにアフリカで誕生されたとされています。人類の特徴は直立二足歩行をする点です。一説によると木から降りてきたサルが草原の中で敵を見つけやすくするために直立二足歩行を始めたのではないかとも言われています。人類の誕生はまだまだ謎が多いですが、世界史では人類を4つの段階に分けて学んでいきます。

まず第一段階目は今から約700万年前に登場したとされる最初の人類、猿人です。中でも猿人最古の化石とされるのがサヘラントロプスです。ほかにも約500万年ほど前に生息したとされるアウストラロピテクスは猿人の中でも有名です。

第二段階は猿人の次に登場した原人です。原人の特徴は火や言語を用いたとされる点です。また原人は石を砕いて作った打製石器を使っていたことが知られています。原人の人骨はジャワ島や北京から発掘されています。このことから人類はアフリカから抜け出し、全世界に拡散しているのがわかります。代表的な原人はジャワ原人北京原人です。

そして第三段階は原人の次に現れた旧人です。旧人の時代には氷河期が訪れたため、寒さをしのぐために火や毛皮が使われました。また脳の発達により記憶力が格段に上がったため、死者を悼む文化も生まれました。死者を追悼する方法として埋葬が行われだしたのは旧人からです。代表的な旧人は、ヨーロッパで発見されたネアンデルタール人です。よく英文にも登場するので押さえておきましょう。

第四段階として登場するのが新人です。現在の私たちも新人です。新人は旧人と生存している時期がかぶっているため、旧人との生存闘争に勝ち、現代にも生きているのです。新人は新たな技術を生み出しました。例えば骨角器です。骨角器は弓矢の矢じり、銛などに使われました。骨角器の発達により狩りの技術も発達したと思われます。また新人は洞窟に壁画を残しています。代表的な壁画はフランスのラスコー、スペインのアルタミラです。フランスの「ラ」はラスコーの「ラ」です。洞窟壁画からわかることは、新人が鋭い観察力を持っていたことです。この力も新人が生き残った一つの要因なのでしょう。